生まれつきのアトピーは本当に遺伝なのか?

「小さい頃からアトピーだから、これは生まれつきなんだと思う」 「親も肌が弱いし、体質だから治らないのでは…」 このように感じている方は少なくありません。
実際、アトピー性皮膚炎には遺伝的な要素が関係していることがわかっています。 ただし重要なのは、遺伝するのは“アトピーそのもの”ではなく、アトピーになりやすい体質(素因)だということです。
つまり、「生まれつきだから一生治らない」というわけではありません。 まずは、生まれつきと言われるアトピーの正体から整理していきましょう。
生まれつきと後天性の違い
「生まれつき」と聞くと、先天的に病気が決まっているように感じるかもしれません。 しかしアトピーの場合、生まれた時点で症状があるというより、 生まれつきアレルギー反応が起こりやすい体質や、皮膚が乾燥しやすい体質を持っている ケースが多く見られます。
一方で、成長の過程で生活環境やストレス、睡眠、食事などの影響を受けて症状が現れるケースもあります。 そのためアトピーは、「遺伝だけ」「環境だけ」と単純に分けられるものではなく、 生まれ持った体質と、成長後の環境が重なって現れる疾患と考えられています。
父親・母親から遺伝する確率
「父親から遺伝するの?」「母親がアトピーだと子どももなる?」 これは非常に多い質問です。
医学的には、両親のどちらかにアレルギー体質がある場合、 子どももアレルギー体質を受け継ぐ可能性は高くなるとされています。
ただし、ここでも遺伝するのは症状そのものではなく、アレルギー反応を起こしやすい体質です。 父親からでも母親からでも受け継ぐ可能性はあり、 必ず発症するわけではありません。
*アレルギー体質には遺伝的な影響もあるとされており、日本アレルギー学会でも体質と環境の両面からの評価が重要とされています。
アトピーは体質だから治らないのか?
「体質だから仕方ない」と言われて諦めてしまう方も多いですが、 体質=改善できない、という意味ではありません。
確かに、生まれつき皮膚が敏感だったり、アレルギーを起こしやすい傾向を持っている方はいます。 しかし臨床現場では、幼少期からアトピーだった方でも、 大人になって症状が落ち着いたり、薬に頼る頻度が減るケースは珍しくありません。
大切なのは、「遺伝だから治らない」と決めつけるのではなく、 なぜ今も症状が続いているのか、その背景を正しく知ることです。
アトピーの原因は遺伝だけではない

前章でお伝えしたように、アトピーには生まれ持った体質が関係することがあります。 しかし、実際に症状が出るかどうか、そして悪化するかどうかは、 遺伝だけでは説明できません。
臨床の現場でも、同じような体質を持っていても症状が軽い人もいれば、 強いかゆみや炎症を繰り返す人もいます。 その違いを生むのが、皮膚・免疫・生活環境の3つです。
皮膚バリア機能の影響
健康な皮膚は、外部の刺激から身体を守る「バリア」の役割を持っています。 しかしアトピーの方は、このバリア機能が弱く、 水分が逃げやすく乾燥しやすい傾向があります。
すると汗や衣類の摩擦、気温差などの小さな刺激でも皮膚が反応し、 赤みやかゆみにつながりやすくなります。 つまり、症状の出やすさには皮膚の防御力が大きく関わっています。
*皮膚のバリア機能が低下すると、乾燥や外部刺激の影響を受けやすくなることが知られています。これは日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも重要視されています。
免疫バランスの乱れ
私たちの身体には、細菌やウイルスから身体を守る免疫機能があります。 ところがアトピーの方では、この免疫反応が過敏になり、 本来そこまで反応しなくてもよい刺激にも炎症が起こりやすくなります。
その結果、かゆみ→掻く→炎症→さらにかゆくなる、 という悪循環が起こりやすくなります。
*免疫バランスの乱れが皮膚炎症に関わることは、多くの海外研究でも報告されています。特にPubMedに掲載されているレビュー論文でも、免疫応答との関連性が示されています。
ダニ・食事・ストレスなどの環境要因
アトピーの症状は、生活環境によって大きく左右されます。
代表的なものとして、 ハウスダスト、ダニ、花粉、食生活の乱れ、 睡眠不足、精神的ストレスなどがあります。
これらの刺激が続くことで皮膚や免疫への負担が増え、 もともとの体質に症状として現れやすくなります。
つまりアトピーは、 「生まれつきの体質」だけで決まるものではなく、 日々の環境によって症状の出方が大きく変わる疾患なのです。
生まれつきより重要な本当の原因とは?

生まれつきアトピー体質だったとしても、 それだけで現在の症状が続いているとは限りません。
実際に臨床現場では、同じような体質でも、 症状が落ち着く人と繰り返す人がいます。
その違いの背景にあるのが、 ストレスへの適応力、神経の働き、内臓機能の状態です。
HPA軸の乱れ
当院では、アトピーの根本背景として HPA軸に注目しています。
HPA軸とは、脳と副腎が連携してストレスに対応する仕組みのことです。 この働きが乱れると、炎症をコントロールする力が低下し、 皮膚の赤みやかゆみが長引きやすくなります。
受験、就職、育児、人間関係などのストレスで 症状が悪化する方が多いのも、この仕組みと深く関係しています。
*ストレス応答に関わるHPA軸と皮膚炎症との関連性については、海外の基礎研究でも報告されています。
自律神経と内臓疲労
強いストレス状態が続くと、 自律神経のバランスにも影響が出やすくなります。
すると血流や消化機能が低下し、 胃腸に負担がかかりやすくなります。
臨床でも、アトピーの方に 胃もたれ、便秘、下痢、冷えなどが重なっているケースは少なくありません。 皮膚だけを見るのではなく、身体全体の状態を見ることが重要です。
なぜ薬を塗っても繰り返すのか?
外用薬は炎症を抑える上で大切な選択肢の一つです。 しかし、身体の内側にある負担が残ったままだと、 一時的に症状が落ち着いても再発を繰り返しやすくなります。
「塗れば良くなるけど、やめるとまた悪化する」 という方は、 皮膚の問題だけでなく、 神経・ストレス・生活背景まで含めた評価が必要なケースもあります。
*外用ステロイドは炎症を抑える標準治療の一つとして知られており、日本皮膚科学会でも基本治療として位置づけられています。
アトピーは完治するのか?寛解との違い

「アトピーは一生治らないのですか?」 これは、初めて来院される方から非常によくいただく質問です。
結論からお伝えすると、 アトピーは“治る・治らない”の二択で考えるより、 どこまで症状を安定させられるかという視点が大切になります。
完治と寛解の違い
完治とは、症状が完全になくなり、 再発の心配がほとんどない状態を指します。
一方で、アトピーでよく使われるのが 寛解(かんかい)という考え方です。
寛解とは、 症状がほとんど出ない状態を長く維持でき、 日常生活に支障がない状態を意味します。
医療現場でも、 アトピーはこの「寛解状態」を目標に治療が進められることが多くあります。
大人になって改善する人の特徴
実際に、幼少期からアトピーだった方でも、 大人になって症状が落ち着く方は少なくありません。
そのような方に共通するのは、 症状だけを見るのではなく、 睡眠、食事、ストレス、身体の使い方など、 日常の負担を見直していることです。
体質そのものを否定するのではなく、 身体が回復しやすい環境を整えることが重要になります。
目指すべきゴールとは
アトピー改善で大切なのは、 「薬をゼロにすること」だけを目的にしないことです。
まずは、 夜しっかり眠れる、 人目を気にせず半袖を着られる、 掻き壊しが減るなど、 日常生活の質が上がることを一つの目標にしていきます。
症状の波が小さくなり、 自分の身体をコントロールできる状態こそ、 本当の意味での改善だと当院では考えています。
何をすれば改善できるのか?

アトピーの原因が一つではないからこそ、 改善のためには「何から始めるか」がとても重要です。
やみくもに情報を集めるよりも、 今の身体の状態を整理しながら、 優先順位をつけて対策していくことが改善への近道になります。
病院で確認すべきこと
症状が長引いている場合は、 まず皮膚の炎症状態や感染の有無、 アレルギーの関与がないかを確認することが大切です。
特に、ジュクジュクした浸出液がある、 夜も眠れないほどかゆい、 急激に悪化した場合は、 早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
家でできるセルフケア
日常では、皮膚への刺激を減らすことが基本になります。
衣類の摩擦を減らす、汗を長時間放置しない、 睡眠リズムを整えるなど、 小さな習慣の積み重ねが皮膚への負担を減らします。
また、食べすぎや夜更かしなど、 身体の回復力を下げる生活習慣を見直すことも大切です。
当院での改善事例
当院には、 「生まれつきアトピーだった」 「薬を塗っても繰り返してしまう」 という方が多く来院されます。
実際に20代男性の皮膚の変色、ぶつぶつがあるアトピーが、身体全体のバランスを整えていく中で、 改善されたケースもあります。
体質を責めるのではなく、 今の身体の状態を正しく評価することが、 改善の第一歩になります。
詳しくは動画をご覧ください:
※本動画は個人の感想であり、施術による効果を保証するものではありません。
症状の改善には個人差があります。
まとめ|生まれつきかどうかより大切なこと

「生まれつきだから治らない」 そう思い込んでしまう方は少なくありません。
しかし実際の臨床では、 幼少期からアトピーに悩んでいた方でも、 身体の状態を正しく見直すことで変化していくケースを多く見てきました。
大切なのは、 遺伝そのものを変えようとすることではなく、 今の身体に何が負担をかけているのかを知ることです。
今日から始める3つの行動
まずは、 皮膚への刺激を減らすこと、睡眠を整えること、身体のサインを観察すること から始めてみてください。
小さな習慣でも、 継続することで身体の回復力は変わっていきます。
医師や専門家に相談するタイミング
症状が長引いている、 薬をやめるとすぐ悪化する、 生活に支障が出ている場合は、 一人で抱え込まず専門家へ相談することも大切です。
身体の状態を客観的に確認することで、 改善の方向性が見えやすくなります。
宿谷陽一から伝えたいこと
私自身、幼少期からアトピーに悩み、 ステロイドを使っても思うように改善しない時期を経験してきました。
だからこそ、 「体質だから仕方ない」と諦めてほしくありません。
今の症状には必ず身体からのサインがあります。 その原因を一緒に見つけていくことが、 本当の改善への第一歩だと私は考えています。
参考文献・監修情報
本記事は、アトピー性皮膚炎に関する国内外の診療ガイドライン、 学術論文、そして当院での臨床経験をもとに作成しています。
- 【遺伝・アレルギー体質について】
アレルギー疾患と遺伝(J-STAGE) - 【皮膚バリア機能・免疫・ステロイド治療について】
アトピー性皮膚炎の病態と治療の最前線(J-STAGE) - 【HPA軸・ストレスと皮膚炎症の研究について】
精神的ストレスと皮膚(J-STAGE) - 【寛解・長期治療・治療目標について】
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024(PubMed掲載)
私の名前は宿谷陽一と申します。
柔道整復師として16年の経験があります。
私自身、幼少期からアトピーに苦しみ、ステロイドや薬を使っても改善しない時期を経験してきました。体重が12kgも激減し、全身から浸出液が止まらないほど重症化したこともあります。
そんな絶望的な状況の中、妻と生まれたばかりの娘を抱きしめたいという強い思いから、アトピー克服のための研究を重ね、試行錯誤の結果、ついに綺麗な肌を手に入れることができました。
この経験から、「アトピーで困っている人を一人でも多く救いたい」という思いが強くなり、当院の「アトピー整体」を考案しました。
アトピー克服には乗り越えるべき壁がありますが、叶えたい未来があるなら、私は自信を持って当院のアトピー整体をおすすめします。




