「アトピーはセラミド不足が原因なの?」
「セラミド入りの保湿剤を使っているのに、また悪化してしまった」
「子どもの肌が乾燥しているけれど、セラミドを補えばよくなる?」
アトピー性皮膚炎を繰り返していると、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、アトピー性皮膚炎ではセラミドの低下が皮膚のバリア機能低下に関係しています。しかし、セラミド不足だけがアトピーの原因ではありません。
アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能の低下だけでなく、免疫反応や炎症、遺伝的な要因、環境、掻くことによる刺激など、複数の要素が関係する病気です。
この記事では、セラミドとアトピーの関係から、セラミド不足で肌に何が起こるのか、保湿剤の考え方、そしてセラミドを補っても症状を繰り返す場合に考えたいことまで、わかりやすく解説します。
アトピーの原因はセラミド不足?まず知っておきたい結論

アトピーでは皮膚のセラミドが低下していることがわかっている
セラミドは、皮膚の一番外側にある「角質層」で、皮膚の水分を保ち、外部からの刺激が入り込むのを防ぐために重要な役割を担っています。
日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」でも、アトピー性皮膚炎では皮膚バリア機能と保湿因子が低下し、角質層の水分量が少ない特徴的なドライスキンになると説明されています。皮膚が乾燥すると刺激によるかゆみが生じやすく、アレルゲンも侵入しやすくなると考えられています。
そのため、セラミドの低下はアトピーの皮膚バリア障害を考えるうえで重要な要素の一つです。
セラミド不足で皮膚のバリア機能が低下する理由
皮膚の角質層は、よく「レンガとセメント」に例えられます。
角質細胞が「レンガ」だとすれば、その隙間を埋めている角質細胞間脂質が「セメント」です。セラミドは、この角質細胞間脂質の主要な成分です。
セラミドが十分に機能している皮膚は、水分を保持しながら、外からの刺激が入り込むのを防ぎやすくなります。
反対に、この仕組みが乱れると水分が逃げやすくなり、乾燥や刺激に弱い状態につながります。
「セラミドでアトピーが治った」は本当?できることと限界
インターネットでは「セラミドを使ったらアトピーが治った」という体験談を目にすることがあります。
セラミドを含む保湿剤によって乾燥が和らぎ、肌の状態が改善したと感じる方はいるでしょう。
しかし、セラミドを塗ればアトピー性皮膚炎そのものが治る、と考えるのは適切ではありません。
保湿の目的は、低下した皮膚の水分保持機能やバリア機能を補うことです。すでに炎症が起きている場合には、症状に応じた治療が必要になることがあります。
「セラミド=アトピーを治す成分」ではなく、皮膚バリアを守るための選択肢の一つと考えるとよいでしょう。
セラミド不足でアトピーが悪化しやすくなる仕組み

セラミドは角質層の水分を保持し外部刺激から皮膚を守る
健康な皮膚では、角質層が外界と身体の境界となり、体内から水分が過剰に逃げることや、外から刺激物質が入り込むことを防いでいます。
セラミドはこのバリアを構成する重要な成分です。
つまり、セラミドは単に「肌をしっとりさせる成分」なのではなく、皮膚が本来持っているバリア機能を考えるうえで重要な存在なのです。
セラミドが減ると乾燥して刺激を受けやすくなる
皮膚バリア機能が低下すると、角質層から水分が逃げやすくなります。
すると肌が乾燥し、衣類の摩擦や汗など、健康な肌では大きな問題にならない刺激にも敏感になりやすくなります。
さらにバリア機能が低下した皮膚では、さまざまな外部刺激やアレルゲンの影響を受けやすくなると考えられています。アトピーに関する研究でも、皮膚バリア障害は病態を考えるうえで重要な要素とされています。
「乾燥→刺激→炎症→かゆみ→掻く」の悪循環
アトピーで注意したいのが、かゆみによる「掻破(そうは)」です。
皮膚が乾燥する
↓
刺激を受けやすくなる
↓
炎症やかゆみが起こる
↓
掻いてしまう
↓
角質層が傷つく
↓
さらに皮膚バリア機能が低下する
このような悪循環が起こると、保湿だけでは症状をコントロールしにくい場合があります。
だからこそアトピーでは、乾燥を防ぐことと、炎症を適切に治療して掻き壊しを減らすことの両方が重要です。
アトピーの原因はセラミドだけではない|繰り返す理由を整理

皮膚バリアにはセラミド以外の要素も関係する
「セラミドが重要なら、セラミドさえ補えばいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、皮膚バリアはセラミドだけで成り立っているわけではありません。
アトピー性皮膚炎では、フィラグリンなど皮膚バリアに関係する要素や遺伝的背景についても研究されています。
そのため、「アトピー=セラミド不足」という一つの原因だけで説明することはできません。
免疫反応と炎症もアトピーの病態に関係する
アトピー性皮膚炎は、単なる「乾燥肌」ではありません。
皮膚バリア機能の異常に加えて、免疫反応や炎症が複雑に関係する慢性炎症性の皮膚疾患です。
添付の医学論文でも、アトピー性皮膚炎の病態は多因子的であり、表皮バリア機能障害だけでなく、Th2リンパ球を中心とした炎症などが関係すると整理されています。
つまり、保湿によってバリアを守ることは重要ですが、炎症が強い場合に「保湿だけで何とかしよう」とするのは適切ではありません。
ダニ・花粉・汗・乾燥・ストレスなども悪化要因になる
アトピーの症状はいつも同じではありません。
季節の変化、乾燥、汗、衣類による刺激、ダニや花粉など、その人によって症状が悪化するきっかけは異なります。
さらに、心理的ストレスによってアトピーが悪化することも報告されています。
大切なのは、「原因」と「悪化要因」を一緒にしないことです。
セラミドを補っているのに繰り返す場合、「もっとセラミドを増やさなければ」と考えるだけでなく、自分や子どもはどんなときに悪化しやすいのかを観察してみることも大切です。
アトピーにセラミド入り保湿剤は必要?選び方と使い方

セラミド配合の保湿剤は皮膚バリアを補う選択肢の一つ
セラミド配合の保湿剤は、アトピー肌のスキンケアで選択肢の一つになります。
ただし、「アトピーなら必ずセラミド入りでなければならない」というわけではありません。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、保湿外用薬によって角質層の水分量を改善し、皮膚バリア機能を回復・維持することが、皮膚炎の再燃予防やかゆみの抑制につながるとされています。
セラミド化粧水・クリームは「セラミド配合」だけで選ばない
大切なのは、「セラミドが入っているか」だけではありません。
実際に使用したときにヒリヒリしないか、赤みやかゆみが強くならないか、継続して使いやすいかなども確認しましょう。
特に炎症が強い皮膚は刺激に敏感です。
子どもや症状の強い方、新しい製品で刺激を感じた方は、無理に使い続けず皮膚科医などに相談してください。
ワセリンやヘパリン類似物質との違いは?
保湿剤には、それぞれ異なる特徴があります。
セラミド配合製品は角質層のバリアを補うことを目的としたものが多く、ワセリンは皮膚表面を覆って水分蒸散や外部刺激を防ぐ働きがあります。
ヘパリン類似物質含有製剤なども保湿に用いられています。
どれが「一番優れている」というより、肌の状態や部位、年齢、使用感、医師の指示などに合わせて選ぶことが大切です。
保湿剤はいつ塗る?基本的なスキンケア方法
保湿剤は「何を使うか」だけでなく「継続して使うこと」も重要です。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、1日1回より1日2回の外用の方が保湿効果が高く、そのうち1回は入浴直後が望ましいとされています。
ただし、治療中の場合は医師から指示されている外用方法を優先してください。
炎症が強い部分については、保湿剤だけで対応し続けるのではなく、適切な診断と治療を受けることが重要です。
セラミド不足は食べ物やサプリで補える?

食事だけで皮膚のセラミド不足を解決できるとは限らない
「セラミドが不足しているなら、食べ物から補えばいいのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし、特定の食材を食べればアトピーの皮膚のセラミド不足が解決する、と単純に考えることはできません。
皮膚を健康に保つうえでバランスのよい食生活は大切ですが、特定の食品をアトピー治療の代わりにすることは避けましょう。
食事や栄養について詳しく知りたい場合は、別の記事で詳しく解説しています。
アトピーと栄養不足の関係について詳しく知る:
アトピー性皮膚炎は何不足?必要な栄養素と不足を確認する方法
セラミドサプリと皮膚に塗る保湿剤は同じではない
セラミドを経口摂取するサプリメントと、皮膚へ直接使用する保湿剤は同じものではありません。
サプリメントだけでアトピー性皮膚炎を治療できるとは考えず、特に治療中の方は現在の治療を自己判断で置き換えないようにしましょう。
セラミドを補ってもアトピーを繰り返すときに考えたいこと

保湿しても改善しないときは炎症や治療状況を確認する
「毎日しっかり保湿しているのに、また悪化してしまう」
このような状態が続くと、「自分のケアが間違っているのかな」と不安になるかもしれません。
しかし、保湿はアトピー管理の一部であり、すべてではありません。
炎症が強ければ、保湿とあわせて適切な治療が必要になる場合があります。
皮膚科で治療を受けている方は、ステロイド外用薬などを自己判断で急に中止・変更しないでください。
ジュクジュクしている、強く腫れている、痛みや発熱がある、急激に悪化したなど、感染や強い炎症が疑われる場合には、早めに医療機関へ相談しましょう。
ストレスとアトピーにはどんな関係がある?
「仕事が忙しくなると悪化する」
「学校行事の前になると子どものかゆみが強くなる」
このような経験がある方もいるでしょう。
研究では、心理的ストレスとアトピー性皮膚炎の悪化との関連が報告されています。
その一つとして研究されているのが、**HPA軸(視床下部・下垂体・副腎系)**です。
HPA軸とは、簡単にいえば身体がストレスに対応するための仕組みです。ストレスを受けると脳と副腎などが連携し、コルチゾールをはじめとしたホルモンを介して身体の状態を調整します。
添付の医学論文では、アトピー性皮膚炎の患者では、アトピーのない人と比べてストレスに対するグルココルチコイドの反応が低下していることなどが報告されています。
ただし、ここで注意したいのは、「HPA軸の乱れがアトピーの唯一の原因」という意味ではないことです。
アトピーはあくまで複数の要因が関係する疾患です。
ストレスとHPA軸について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
湿疹が治らない本当の原因とは?ストレス・HPA軸の関係を専門家が解説
みらい整体院では皮膚だけでなく身体全体の状態を見る
みらい整体院では、アトピーを「皮膚だけの問題」として捉えないことを大切にしています。
これは「身体の内側だけがアトピーの原因」という意味でも、「整体を受ければアトピーが治る」という意味でもありません。
アトピーには皮膚バリアや免疫・炎症などが関係することを前提にしたうえで、当院では臨床的な視点として、
・ストレス
・睡眠
・自律神経
・生活リズム
・消化状態や食生活
・身体の緊張
・背骨や関節の状態
・神経
・血流や体液循環
など、その方の身体全体の状態を確認することを重視しています。
みらい整体院の治療哲学でも、皮膚バリア、免疫、ストレス、HPA軸、自律神経、睡眠、生活習慣などを切り離して考えるのではなく、身体全体を見ることを大切にしています。
特に、代表の宿谷陽一自身も幼少期からアトピーを経験してきたため、「一度よくなったのに、また悪くなった」というときの不安や、「何をすればいいのかわからない」という気持ちを理解したうえで、一人ひとりの状態を見ることを大切にしています。
大人になってからアトピーを繰り返している方は、こちらの記事も参考にしてください。
大人のアトピーの原因とは?ステロイドで治らない理由と整体による新しい改善法
アトピーとセラミドについてよくある質問

アトピーの人はセラミドが不足していますか?
アトピー性皮膚炎では、皮膚バリア機能や保湿因子が低下しており、セラミドの量や構成にも異常がみられることが知られています。
ただし、セラミド不足だけでアトピーが発症すると考えることはできません。
セラミドを塗ればアトピーは治りますか?
セラミドを含む保湿剤は、乾燥した皮膚のバリアを補う選択肢になりますが、セラミドを塗るだけでアトピー性皮膚炎が治るとはいえません。
炎症がある場合には、その程度に応じた治療が必要です。
子どものアトピーにもセラミド入り保湿剤は使えますか?
子どものスキンケアでも保湿は重要ですが、製品や年齢、皮膚の状態によって適したものは異なります。
塗った後に赤みや刺激が出る場合や、炎症が強い場合には使用を続けず、小児科や皮膚科へ相談してください。
セラミドを使っても良くならない場合はどうすればいい?
セラミドだけに原因を求めず、炎症の程度、現在の治療、掻き壊し、環境や生活上の悪化要因などを確認しましょう。
何度も悪化を繰り返す場合には、まず皮膚科で現在の皮膚状態や治療について相談することが大切です。
まとめ|アトピーはセラミド不足だけで考えない

アトピー性皮膚炎では、セラミドの低下が皮膚バリア機能の低下に関係しています。
しかし、大切なのは**「セラミド不足だけがアトピーの原因ではない」**ということです。
・セラミドは皮膚の水分保持とバリア機能に重要
・アトピーには皮膚バリアだけでなく免疫・炎症など複数の要因が関係する
・保湿は重要だが、炎症がある場合には適切な医療も必要
・繰り返す場合は、自分自身の悪化要因にも目を向ける
「しっかり保湿しているのに何度も繰り返す」「皮膚のケアだけでは不安」という方に対して、みらい整体院では皮膚だけを見るのではなく、ストレスや睡眠、生活状態、身体の緊張なども含め、一人ひとりの状態を確認することを大切にしています。
現在皮膚科で治療を受けている方は、その治療を自己判断で中止する必要はありません。
皮膚科での治療を大切にしながら、「繰り返している背景も含めて身体全体を見てほしい」という方は、みらい整体院へご相談ください。
※アトピー性皮膚炎は症状や経過に個人差があります。本記事は特定の治療による改善を保証するものではありません。症状が強い場合や急激に悪化した場合、感染が疑われる場合などは医療機関へご相談ください。
▼実際に湿疹やアトピーが改善した方の体験談はこちら
患者様の声ページ
▼アトピー専門整体についてはこちら
アトピー専門整体ページ
▼HPA軸について詳しくはこちら
HPA軸とアトピーの関係を見る

監修者:宿谷 陽一(柔道整復師/施術歴16年)
- アトピー整体施術実績 延べ10,000件
- 幼少期からアトピーを経験
- HPA軸・自律神経・内臓機能に着目した独自整体を提供
- アトピー専門YouTubeチャンネル運営
- アトピー専門整体院を全国に展開
- 皮膚科医との対談実績あり
参考文献・参考情報
医療・皮膚科学関連
- 日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」
- Tsuji G, et al. The Pathogenic and Therapeutic Implications of Ceramide Abnormalities in Atopic Dermatitis. Cells. 2021;10(9):2386. PMID: 34572035.
- Nugroho WT, et al. The Efficacy of Moisturisers Containing Ceramide Compared with Other Moisturisers in the Management of Atopic Dermatitis: A Systematic Literature Review and Meta-Analysis. Indian Journal of Dermatology. 2023;68(1):53-58. PMID: 37151263.
HPA軸・ストレス研究関連
私の名前は宿谷陽一と申します。
柔道整復師として16年の経験があります。
私自身、幼少期からアトピーに苦しみ、ステロイドや薬を使っても改善しない時期を経験してきました。体重が12kgも激減し、全身から浸出液が止まらないほど重症化したこともあります。
そんな絶望的な状況の中、妻と生まれたばかりの娘を抱きしめたいという強い思いから、アトピー克服のための研究を重ね、試行錯誤の結果、ついに綺麗な肌を手に入れることができました。
この経験から、「アトピーで困っている人を一人でも多く救いたい」という思いが強くなり、当院の「アトピー整体」を考案しました。
アトピー克服には乗り越えるべき壁がありますが、叶えたい未来があるなら、私は自信を持って当院のアトピー整体をおすすめします。




