「アトピーに温泉が良いと聞いたけれど、本当に効果があるの?」
「温泉に入って、逆にかゆみや赤みがひどくならないか心配……」
このように、アトピーがあっても温泉を楽しみたい一方で、肌への刺激が気になっている方は多いのではないでしょうか。
温泉に入って肌の調子が良くなったと感じる人はいます。しかし、「この温泉に入ればアトピーが治る」「この泉質なら誰でも大丈夫」とは言い切れません。
むしろ大切なのは、泉質だけでなく「今の自分の肌が温泉に耐えられる状態なのか」を確認することです。
みらい整体院 代表・宿谷陽一も、アトピーがひどかった時期に酸性の温泉へ入り、足をつけるのもつらいほどの刺激を感じた経験があります。
この記事では、アトピーと温泉の関係、酸性泉・アルカリ性泉などの違い、温泉で悪化しやすい肌状態、できるだけ肌へ負担をかけない入り方について、宿谷自身の経験も交えて解説します。
アトピーに温泉は効果がある?治ると言われる理由と注意点

結論からいうと、温泉療法によってアトピー性皮膚炎の症状が改善したという研究報告はありますが、温泉だけでアトピーが治るとは言い切れません。
温泉との相性は泉質だけではなく、その日の炎症や傷の程度、湯温、入浴時間などによっても変わります。
「アトピーに効く温泉」を探すこと以上に、「今の自分の肌に刺激が強すぎないか」を考えることが重要です。
温泉でアトピーが良くなったと感じる人がいる理由
温泉療法(バルネオセラピー)については、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を対象にした研究があります。
温泉水が持つ物理的・化学的な性質などが皮膚症状に影響する可能性が研究されており、症状の改善を報告した研究もあります。
また、温泉に入ることで身体が温まったり、旅行や入浴によってリラックスできたりすることも、「調子が良い」と感じる一因になるかもしれません。
ただし、アトピー性皮膚炎は単純に「皮膚が乾燥しているだけ」の病気ではありません。
皮膚のバリア機能や免疫反応、遺伝的要因、環境要因など複数の要素が関係しています。そのため、特定の温泉だけですべてを解決できると考えないことが大切です。
温泉療法・湯治で期待できることと限界
温泉療法や湯治によって皮膚症状が改善したと感じる方がいる一方で、医学研究としてはまだ十分とはいえない部分があります。
温泉療法に関するシステマティックレビューでも、アトピー性皮膚炎などで改善を示した研究が報告される一方、研究数や研究の質には限界があり、より質の高い研究が必要とされています。
つまり、
「温泉に入って調子が良くなる人がいる」
ことと、
「温泉に入ればアトピーが治る」
ことは分けて考える必要があります。
現在、皮膚科で治療を受けている方は、温泉に行くことを理由に薬を自己判断で中止・変更しないようにしてください。
アトピーでも温泉を避けたほうがよい症状
アトピーがあるからといって、すべての人が温泉を避けなければならないわけではありません。
一方で、
・掻き壊した傷が多い
・皮膚がジュクジュクしている
・赤みや炎症が非常に強い
・触れるだけでも痛みがある
・化膿など感染が疑われる
・急激に症状が悪化している
といった状態では、温泉の成分や温度が刺激になる可能性があります。
特に感染が疑われる場合や症状が急激に悪化している場合は、温泉を試すことより医療機関への相談を優先しましょう。
アトピーにおすすめの泉質は?酸性泉・アルカリ性泉などの違い

「アトピーには何泉がいいですか?」という疑問を持つ方も多いと思います。
しかし、泉質だけを見て「アトピーにおすすめ」「これは避けるべき」と一律に判断することはできません。
同じ泉質でも、皮膚の状態によって感じる刺激は変わるからです。
酸性泉|傷や炎症がある肌では刺激を感じることがある
酸性泉は、その名のとおりpHが酸性側にある温泉です。
ここで注意したいのが、「酸性泉=アトピーに悪い」と決めつけないことです。
酸性温泉水については、アトピー性皮膚炎に関連した研究も存在します。
一方、掻き壊しや傷がある皮膚では、温泉に入ったときにヒリヒリとした刺激を感じる可能性があります。
健康な肌では気にならない刺激でも、皮膚のバリア機能が低下しているアトピー肌では強く感じることがあります。
そのため「酸性泉はアトピーに効くのか?」だけではなく、今の自分の皮膚に傷や強い炎症がないかを確認することが重要です。
アルカリ性泉|肌触りがよくてもアトピーに合うとは限らない
アルカリ性の温泉は、入浴したときに肌がすべすべ、なめらかになったように感じることがあります。
宿谷自身も、アトピーがある状態でアルカリ性の温泉に入った際には、酸性泉で経験したような強い悪化はありませんでした。
ただし、これはあくまで宿谷個人の経験です。
「アルカリ性泉ならアトピーでも安全」「アルカリ性泉がアトピーに効く」という意味ではありません。
皮膚の状態や温泉の成分、温度、入浴時間などによって反応は変わります。
その他の泉質も「アトピーに効く」と泉質だけで判断しない
温泉には塩化物泉や硫黄泉などさまざまな泉質があります。
旅行サイトなどで「美肌の湯」「肌によい温泉」と紹介されていると、アトピーにも良さそうに感じるかもしれません。
しかし、「美肌の湯」という表現と、炎症や傷のあるアトピー肌でも刺激が少ないことは別の話です。
泉質の名前や効能表示だけで判断せず、自分の肌状態を優先して考えてください。
私がアトピーのひどい時期に酸性温泉へ入って悪化した経験

ここからは、みらい整体院 代表・宿谷陽一自身の経験をお話しします。
私自身、アトピーがかなりひどかった時期に、酸性の温泉へ入ったことがあります。
当時は「温泉は肌に良いのではないか」という期待もありました。
ところが実際に入ってみると、皮膚が痛すぎて全身を入れるような状態ではなく、足をつけるだけでも限界でした。
さらに、その場で痛かっただけではありません。
翌日の早朝から顔のかゆみが非常に強くなり、車の運転にも支障を感じるほどでした。
一方で、その後アルカリ性の温泉に入った際には、私の場合は同じような悪化を経験しませんでした。
もちろん、これは私自身の経験であり、「酸性泉はアトピーに悪く、アルカリ性泉なら良い」と一般化できるものではありません。
ただ、この経験から強く感じたのは、「アトピーに良いといわれている温泉だから大丈夫」と考えず、自分の今の皮膚状態を見ることの大切さです。
温泉にはさまざまな成分が含まれています。肌が健康な状態では問題にならない刺激でも、傷だらけのアトピー肌には強すぎることがあります。
私は温泉を、場合によっては「毒をもって毒を制す」のような刺激を利用する側面があるものとして捉えています。
これは医学的な定義ではなく、あくまで私自身の経験からの表現です。
だからこそ、皮膚が荒れているときほど「身体に良さそうだから我慢して入る」のではなく、痛い、ヒリヒリする、かゆくなるという身体からの反応を無視しないことが大切だと考えています。
アトピーは温泉に入っていい?悪化しやすい肌状態の判断基準

アトピーの方が温泉に入れるかどうかは、アトピーという病名だけではなく、その日の皮膚状態で判断することが大切です。
昨日は大丈夫だった温泉でも、今日は掻き壊しが増えていて刺激を強く感じる、ということも考えられます。
傷・掻き壊し・ジュクジュク・強い炎症があるときは慎重に
特に注意したいのは、皮膚のバリア機能が大きく低下しているときです。
掻いて傷になっている、赤く腫れている、ジュクジュクしているといった状態では、温泉成分や熱そのものが刺激になる可能性があります。
「せっかく温泉旅行に来たから」
「アトピーに良い温泉だから」
という理由で、痛みを我慢してまで入る必要はありません。
温泉は我慢比べではありません。
ヒリヒリしたり、痛みやかゆみが強くなったりするのであれば、無理をしないことが重要です。
迷ったら傷の少ない部分から温泉の刺激を確認する
症状が比較的落ち着いていて、それでも温泉が自分の肌に合うか心配な場合、当院ではいきなり全身をつけず、傷がなるべく少ない部分から刺激を確認するという考え方をおすすめしています。
たとえば足に大きな傷がなければ、まず足をつけてみて、強いヒリヒリ感や痛みが出ないか確認します。
ただし、これは重い皮膚症状がある人に温泉入浴をすすめるものではありません。
症状が強い、感染が疑われる、入浴してよいか判断できない場合は、先に皮膚科などの医療機関へ相談してください。
アトピーを悪化させない温泉の入り方

温泉を楽しむときは、「効かせるために長く入る」のではなく、皮膚への刺激をできるだけ増やさないことを意識しましょう。
泉質だけでなく、温度や入浴時間、入浴後のスキンケアも重要です。
熱い温泉・長湯を避ける
アトピーでかゆみがある方の中には、熱いお湯を「気持ちいい」と感じる方がいます。
しかし、日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」では、入浴・シャワーの湯温は38〜40℃がよいとされ、42℃以上は皮脂や天然保湿因子が失われることや、かゆみが誘発されることから推奨されていません。
温泉でも「熱いほど効きそう」と考えて我慢する必要はありません。
また、長湯でかゆみが増える方は、短時間で切り上げるなど、自分の反応に合わせて調整しましょう。
アトピーで熱いお湯を避けたい理由:
かゆみに熱湯は効く?熱いお湯が気持ちいい理由と危険性を専門家が解説
ヒリヒリ・かゆみが出たら我慢して入らない
温泉に入った直後から、
「ヒリヒリする」
「傷が痛い」
「急にかゆくなってきた」
という変化を感じたら、無理に入り続けないようにしましょう。
「温泉が効いている証拠」「好転反応だから我慢しよう」と自己判断するのはおすすめできません。
刺激が強いと感じた時点で一度温泉から出て、皮膚の状態を確認してください。
温泉から出た後は肌に合わせて洗い流し・保湿をする
アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下し、乾燥しやすい状態になっています。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、入浴後は速やかに保湿剤を使用し、皮膚の乾燥を防ぐことが推奨されています。
温泉成分が肌に残って刺激を感じる場合には、刺激の少ないシャワーでやさしく流すことも検討してください。
ただし、入浴後のケアは皮膚の状態によって異なります。普段から皮膚科で外用薬や保湿剤について指導を受けている場合は、その指示を優先してください。
入浴直後だけでなく数時間後・翌日の肌まで確認する
温泉との相性を見るときに、ぜひ覚えておいてほしいポイントです。
「温泉から出た直後に大丈夫だったから、自分には合っている」とすぐ判断しないようにしましょう。
私自身、酸性泉に入った際にはその場で痛みを感じただけでなく、翌日の早朝に顔のかゆみが非常に強くなりました。
そのため、
・入浴中に刺激がなかったか
・入浴後に乾燥や赤みが増えていないか
・夜にかゆみが増えていないか
・翌朝の肌がいつもより荒れていないか
まで確認すると、自分とその温泉との相性を判断しやすくなります。
また、全身浴することに不安があるなら、無理に肩までつかる必要はありません。
傷の少ない足だけをつける「足湯」から試すことも一つの選択肢です。
宿谷自身も、皮膚への刺激をできるだけ抑えながら身体を温めたい場合には、足湯を選択肢の一つとして考えています。
足湯そのものがアトピーを治すという意味ではありません。全身を温泉につけるのが不安な方が、無理なく温泉を楽しむための方法として考えてみてください。
アトピーと温泉についてよくある質問

最後に、アトピーの方から温泉についてよく聞かれる疑問にお答えします。
アトピーには酸性泉とアルカリ性泉のどちらがいい?
一律に「こちらが良い」と決めることはできません。
酸性泉について研究されている例もありますが、傷や炎症のある肌では刺激を感じる可能性があります。一方、アルカリ性泉もすべてのアトピーの方に合うとは限りません。
泉質だけではなく、現在の皮膚状態を優先しましょう。
温泉に入ってかゆくなったらどうする?
かゆみやヒリヒリ感が強くなった場合は、我慢して温泉に入り続けないことが大切です。
温泉から出て肌の状態を確認し、必要に応じて刺激の少ないシャワーで流して普段のスキンケアを行います。症状が強い、急激に悪化するなどの場合は医療機関へ相談してください。
アトピーにサウナや岩盤浴はいい?
アトピー改善のために、無理にサウナや岩盤浴で汗をかく必要はありません。
高温や大量の発汗によって、かゆみや皮膚への刺激を感じる方もいます。
サウナや岩盤浴について詳しく扱うと「アトピー 温泉」というこの記事のテーマから離れるため、利用する場合は肌の状態を見ながら無理をしない、という点を覚えておきましょう。
毎日温泉に入ればアトピーは良くなる?
温泉へ毎日入ればアトピーが治るとは言い切れません。
温泉療法による改善を報告した研究はありますが、温泉だけに頼るのではなく、必要な皮膚科治療や保湿などの日常的なスキンケアを続けることが大切です。
まとめ|アトピーの温泉選びは泉質だけでなく今の肌状態を確認しよう

アトピーがあるからといって、必ず温泉に入れないわけではありません。
一方で、「アトピーに効く温泉」と紹介されているからといって、すべての人に合うとも限りません。
今回のポイントは次の4つです。
・温泉療法で症状改善を報告した研究はあるが、温泉だけでアトピーが治るとは言い切れない
・酸性泉やアルカリ性泉など、泉質だけで自分に合う温泉を判断しない
・傷、掻き壊し、ジュクジュク、強い炎症があるときは無理をしない
・温度、入浴時間、入浴後から翌日の肌状態まで確認する
私自身、アトピーがひどかった時期に「温泉なら肌に良いかもしれない」と考えて酸性泉へ入り、非常につらい刺激とかゆみを経験しました。
だからこそ、みらい整体院では「アトピーに良いと言われているから」という情報だけではなく、今の自分の肌がどう感じているかを大切にしてほしいと考えています。
症状が強いときには無理をせず、皮膚科などの医療機関にも相談しながら、自分の肌に合った方法で温泉を楽しみましょう。
▼実際に湿疹やアトピーが改善した方の体験談はこちら
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※本記事は、皮膚科学・腸内環境・自律神経・ストレス医学に関する国内外の研究、および当院での臨床経験をもとに作成しています。
湿疹やアトピーは個人差が大きく、 症状によって必要な検査・治療は異なります。
気になる症状がある場合は、必ず医療機関へご相談ください。

監修者:宿谷 陽一(柔道整復師/施術歴16年)
- アトピー整体施術実績 延べ10,000件
- 幼少期からアトピーを経験
- HPA軸・自律神経・内臓機能に着目した独自整体を提供
- アトピー専門YouTubeチャンネル運営
- アトピー専門整体院を全国に展開
- 皮膚科医との対談実績あり
参考文献・参考情報
医療・皮膚科学関連
HPA軸・ストレス研究関連
- Association between Stress and the HPA Axis in the Atopic Dermatitis(PubMed収載論文)
- Evaluation of hypothalamic-pituitary-adrenal axis in patients with atopic dermatitis(PubMed収載論文)
- Vaughn AR, Notay M, Clark AK, et al. The Gut-Skin Axis in Health and Disease: A Paradigm With Therapeutic Implications.
※本記事内で紹介している生活習慣や整体的アプローチは、 医療行為の代替ではなく、 身体全体の状態を整えるための補助的な考え方として紹介しています。
私の名前は宿谷陽一と申します。
柔道整復師として16年の経験があります。
私自身、幼少期からアトピーに苦しみ、ステロイドや薬を使っても改善しない時期を経験してきました。体重が12kgも激減し、全身から浸出液が止まらないほど重症化したこともあります。
そんな絶望的な状況の中、妻と生まれたばかりの娘を抱きしめたいという強い思いから、アトピー克服のための研究を重ね、試行錯誤の結果、ついに綺麗な肌を手に入れることができました。
この経験から、「アトピーで困っている人を一人でも多く救いたい」という思いが強くなり、当院の「アトピー整体」を考案しました。
アトピー克服には乗り越えるべき壁がありますが、叶えたい未来があるなら、私は自信を持って当院のアトピー整体をおすすめします。




