「毎日お風呂に入っているのに、頭からフケが落ちる」
「眉毛や鼻の横が赤くなり、人から不潔に見られないか気になる」
「若い頃はなかったのに、高齢になってから頭皮や顔の湿疹を繰り返すようになった」
このようなお悩みはありませんか?
結論からいうと、高齢者の脂漏性湿疹は、単純に「不潔だから」起こるものではありません。
脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)には、皮脂、皮膚に存在するマラセチアという真菌、皮膚環境など複数の要因が関係すると考えられています。マラセチア属真菌は脂漏性皮膚炎の増悪因子としても注目されています。
また、高齢者の場合は加齢に伴って皮膚が乾燥しやすくなるため、「脂漏性湿疹だと思っていたら、乾燥による皮脂欠乏性湿疹だった」というケースも考えられます。日本皮膚科学会の資料でも、皮脂欠乏性湿疹は冬季の高齢者にみられることが多いとされています。
この記事では、高齢者に脂漏性湿疹が起こる原因から、症状が出やすい場所、乾燥による湿疹との違い、皮膚科での治療、自宅でできるケアまで分かりやすく解説します。
高齢者の脂漏性湿疹は不潔だから?まず知っておきたい特徴

脂漏性湿疹の原因は不潔ではない
脂漏性湿疹は、「頭や顔を十分に洗っていないから起こる皮膚炎」ではありません。
皮膚にはもともと多くの細菌や真菌が存在しています。その一つが、マラセチアと呼ばれる真菌です。
マラセチアは皮脂の多い場所に存在しやすく、脂漏性皮膚炎との関係が知られています。ただし、マラセチアだけが唯一の原因というわけではなく、皮脂や皮膚の状態など複数の要因が関係すると考えることが大切です。
そのため、フケが出ているからといって「自分が不潔だからだ」と必要以上に気にする必要はありません。
むしろ、不潔に見られたくないからと何度もシャンプーをしたり、爪を立てて頭皮を強く洗ったりすると、皮膚への刺激が増えてしまうことがあります。
高齢者にも脂漏性皮膚炎は起こる
脂漏性皮膚炎は、乳児だけの皮膚炎ではありません。
成人では、頭皮や顔など皮脂が多い「脂漏部位」にフケのような鱗屑(りんせつ)や赤みが現れることがあります。
高齢になると身体全体の皮膚は乾燥しやすくなりますが、だからといって頭皮や顔に起こるすべての湿疹が乾燥によるものとは限りません。
「年齢を重ねたから全部乾燥肌」と決めつけず、症状が現れている場所や皮膚の状態を見ることが重要です。
フケ・赤み・かゆみが出やすい場所
脂漏性皮膚炎は、特に次のような場所に症状が出やすい傾向があります。
・頭皮
・髪の生え際
・眉毛や眉間
・鼻の周囲
・耳の周囲
脂漏部位では、赤みに加えて白色~黄色っぽいフケや皮むけがみられることがあります。
ただし、見た目だけで脂漏性湿疹と断定することはできません。
乾燥による湿疹や乾癬、接触皮膚炎などでも似た症状が起こることがあるため、症状が続く場合は皮膚科で確認してもらいましょう。
脂漏性湿疹の原因|高齢者ではなぜ起こる?

高齢者の脂漏性湿疹を考えるうえで重要なのは、原因を一つに決めつけないことです。
「皮脂が多いから」「菌がいるから」「洗っていないから」という単純な話ではありません。
原因① 皮脂とマラセチアの関係
脂漏性皮膚炎と深く関係すると考えられているのが、皮脂とマラセチアです。
マラセチアは人の皮膚にも存在する真菌で、特に皮脂の多い場所を好みます。日本皮膚科学会の皮膚真菌症に関するガイドラインでも、Malassezia属真菌は脂漏性皮膚炎の増悪因子として注目されているとされています。
重要なのは、「マラセチアがいる=不潔」という意味ではないことです。
もともと皮膚に存在する微生物と皮脂、皮膚側の反応などが組み合わさって症状に関係すると考えられています。
原因② 加齢による皮膚環境の変化
高齢者の場合、脂漏性湿疹だけでなく「乾燥」も同時に考える必要があります。
年齢を重ねると、皮膚の水分を保つ機能などが低下し、皮脂欠乏症と呼ばれる乾燥状態が起こりやすくなります。皮脂欠乏症が進行すると、強いかゆみや炎症を伴う皮脂欠乏性湿疹につながることがあります。
つまり高齢者では、
「頭皮や顔には脂漏性皮膚炎の特徴がある」
一方で、
「すねや腕、体は乾燥してかゆい」
というように、部位によって異なる皮膚トラブルが同時に存在することも考えられます。
そのため、高齢者のフケ=皮脂が多い、高齢者の湿疹=すべて乾燥、のどちらにも決めつけないことが大切です。
原因③ ストレス・睡眠などの生活要因
脂漏性皮膚炎では、皮膚そのものだけではなく生活習慣にも目を向けます。
睡眠不足や過労、ストレスなどは脂漏性皮膚炎を悪化させる要因として挙げられています。
高齢者の場合でも、
「最近眠れていない」
「家族の介護や生活環境の変化で疲れている」
「体調を崩して生活リズムが乱れた」
といった変化と皮膚症状が重なっていないか、一度振り返ってみましょう。
ただし、ストレスだけが脂漏性湿疹の原因という意味ではありません。
みらい整体院でも、皮膚だけを見るのではなく、睡眠・ストレス・生活リズム・身体の緊張など、身体全体の状態を確認することを大切にしています。これは脂漏性湿疹の医学的な原因を断定するものではなく、当院が臨床上重視している身体の見方です。
ストレスと湿疹についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
湿疹とストレスの関係について詳しく解説:
湿疹が治らない本当の原因とは?ストレス・HPA軸の関係を専門家が解説
原因④ 洗わないことだけが原因ではない|洗いすぎにも注意
「フケが出ているからもっと洗わなければ」と考える方も多いのではないでしょうか。
もちろん、頭皮を適切に洗って清潔に保つことは大切です。
しかし、強い力でこする、熱いお湯で長時間洗う、洗浄力の強い製品を頻繁に使用するといったケアが、自分の皮膚に合わないこともあります。
大切なのは、**「フケを全部落とすこと」ではなく、「皮膚を刺激しすぎず清潔な状態を保つこと」**です。
不潔に見えることが気になる方ほど洗いすぎてしまいやすいため、注意しましょう。
高齢者の脂漏性湿疹はどこに出る?症状と見分け方

頭皮・生え際に出るフケ・赤み・かさぶた
頭皮では、細かなフケだけでなく、皮膚の赤みや皮むけが目立つことがあります。
髪の毛や肩にフケが落ちると、服装を清潔にしていても「周りの人から不潔だと思われるのでは」と気になる方もいるでしょう。
しかし、フケは皮膚から剥がれた角質です。
脂漏性湿疹によって角質が剥がれやすくなっている場合、毎日入浴していてもフケが生じることがあります。
眉間・鼻まわり・耳周囲など顔に出る症状
脂漏性湿疹は頭だけでなく、顔にも現れることがあります。
特に、
・眉毛や眉間
・鼻の横
・耳の周囲
・髪の生え際
などは注意したい場所です。
赤みだけを見ると「乾燥かな」「化粧品やマスクでかぶれたのかな」と考えてしまうこともあります。
症状が繰り返す場合や範囲が広がる場合は、自己判断せず皮膚科へ相談しましょう。
脂漏性湿疹と乾燥による湿疹の違い
高齢者で特に間違えやすいのが、脂漏性湿疹と皮脂欠乏性湿疹です。
| 比較ポイント | 脂漏性湿疹 | 乾燥による皮脂欠乏性湿疹 |
|---|---|---|
| 出やすい場所 | 頭皮・生え際・眉間・鼻周囲など | すね・腕・体など |
| 主な特徴 | フケ、皮むけ、赤みなど | 乾燥、カサつき、細かな亀裂、かゆみなど |
| 関係する要因 | 皮脂、マラセチア、皮膚環境など | 加齢、乾燥、水分保持機能の低下など |
| 判断方法 | 皮膚科で診断 | 皮膚科で診断 |
皮脂欠乏性湿疹は高齢者に多く、特に下腿に生じやすいことが知られています。
頭皮の乾燥や皮脂欠乏性湿疹については、以下の記事で詳しく解説しています。
頭皮の乾燥によるフケ・皮脂欠乏性湿疹の原因について詳しく解説:
頭皮の皮脂欠乏性湿疹を治療したい方へ|フケ・痒みを繰り返す原因と対策
高齢者のフケや赤みが脂漏性湿疹とは限らない|受診したい症状

乾燥による湿疹など似た皮膚疾患がある
頭皮や顔が赤い、フケが出る、かゆいという症状だけで脂漏性湿疹と判断することはできません。
皮脂欠乏性湿疹、接触皮膚炎、乾癬、真菌による感染症などでも似た症状が出ることがあります。
特に高齢者では皮膚が乾燥しやすいため、老人性乾皮症や皮脂欠乏性湿疹などとの区別が必要になることがあります。
「高齢だから仕方ない」と放置せず、症状が続く場合は一度皮膚科で確認してもらいましょう。
強いかゆみ・急な悪化・ジュクジュク・出血がある場合は皮膚科へ
次のような場合は、セルフケアだけで様子を見続けず、早めに医療機関へ相談してください。
・急に赤みや湿疹が広がった
・強いかゆみで眠れない
・掻き壊して出血している
・ジュクジュクしている
・痛みや腫れがある
・セルフケアを続けても改善しない
掻き壊した皮膚から感染が起こる可能性もあります。
特に高齢者では他の病気の治療を受けていたり、複数の薬を使用していたりすることもあるため、自己判断で市販薬を長期間使い続けるより、医師に確認する方が安心です。
高齢者の脂漏性湿疹はどう治療する?

まず皮膚科で正しい診断を受ける
脂漏性湿疹が疑われる場合、まず大切なのは「本当に脂漏性湿疹なのか」を確認することです。
同じフケ・赤み・かゆみでも治療方法は原因によって異なります。
受診するときは、
・いつから症状があるか
・どこから始まったか
・かゆみの強さ
・良くなったり悪くなったりするか
・現在使っている薬やスキンケア用品
などを伝えると、医師が状態を把握しやすくなります。
家族が付き添う場合は、普段の皮膚状態や症状の変化を伝えられるようにしておくとよいでしょう。
抗真菌薬やステロイド外用薬などで症状に合わせて治療する
脂漏性皮膚炎では、抗真菌外用薬やステロイド外用薬などが治療に使用されます。
抗真菌薬はマラセチアの増殖を抑える目的、ステロイド外用薬は炎症を抑える目的で使用され、症状に応じて治療方法が選択されます。
使用する薬の種類や期間は、症状の場所や程度によって異なります。
特に高齢者は皮膚が薄くなっている場合もあるため、ステロイドを含め外用薬は医師の指示に従って使用しましょう。ステロイド外用薬は年齢、使用部位、強さ、使用期間などによって副作用の起こりやすさが異なります。
処方された薬を自己判断で急に中止・変更したり、家族の薬を使用したりすることは避けてください。
自宅でできる脂漏性湿疹の対処法

頭皮や顔はこすらずやさしく洗う
フケや皮むけが気になるからといって、爪で剥がしたり、ゴシゴシこすったりするのは避けましょう。
シャンプーをするときは爪ではなく指の腹を使い、やさしく洗います。
洗浄成分が残らないよう、すすぎも丁寧に行いましょう。
「清潔にする=強く洗う」ではありません。
毎日無理なく続けられる、刺激の少ない洗い方を心がけることが大切です。
洗いすぎを避け、乾燥している部分は適切に保湿する
高齢者では脂漏性湿疹だけでなく、乾燥を併発していることがあります。
顔や身体を強く洗ったり熱すぎるお湯を使ったりすると、乾燥が気になる方では負担になることがあります。
特にすねや腕、身体にカサつきがある場合は、脂漏性湿疹と同じケアを一律に行うのではなく、皮膚の状態に合わせて保湿を検討します。
保湿剤を選ぶ際に迷う場合は、皮膚科や薬剤師に相談しましょう。
睡眠や生活リズムを整え、掻き壊さない
脂漏性皮膚炎の管理では、薬による治療だけでなく生活習慣への配慮も重要です。睡眠不足、過労、ストレスなどは症状を悪化させる要因として挙げられています。
特別な健康法を始める必要はありません。
まずは、
・睡眠時間を確保する
・食事を極端に偏らせない
・かゆくてもできるだけ掻き壊さない
・無理のない範囲で生活リズムを整える
といった基本から始めてみましょう。
高齢者の場合、自己流の極端な食事制限やサプリメントを始めるより、持病や服薬との関係も含めて医師へ相談することが大切です。
高齢者の脂漏性湿疹についてよくある質問

脂漏性湿疹は不潔だから起こりますか?
いいえ。単純に不潔だから起こる皮膚炎ではありません。
皮脂、マラセチア、皮膚環境など複数の要因が関係すると考えられています。
フケがあるからと必要以上に洗うのではなく、皮膚を刺激しすぎない適切なケアを心がけましょう。
高齢になってから脂漏性湿疹になることはありますか?
高齢者でも脂漏性皮膚炎はみられます。
ただし、高齢者では乾燥による皮脂欠乏性湿疹なども起こりやすいため、「高齢になってフケが出た=脂漏性湿疹」と自己判断しないことが重要です。
市販薬を使っても治らない場合はどうすればいいですか?
症状が続く場合は皮膚科を受診しましょう。
脂漏性湿疹に似た別の皮膚疾患である可能性もあります。
「市販薬が効かないからもっと強い薬を使う」という自己判断はせず、まず診断を受けることをおすすめします。
家族や介護者は何を確認すればいいですか?
本人が自分では頭皮を確認しにくい場合、家族や介護者が、
・フケの量
・赤みが広がっていないか
・掻き傷や出血がないか
・ジュクジュクしていないか
・いつから症状があるか
などを確認しておくと役立ちます。
スマートフォンで同じ角度から定期的に写真を撮っておくと、症状の変化を医師に伝えやすくなります。
まとめ|高齢者の脂漏性湿疹は不潔だけが原因ではありません

高齢者の脂漏性湿疹について、特に覚えておきたいポイントは次の4つです。
・脂漏性湿疹は「不潔だから」起こるものではない
・皮脂やマラセチア、皮膚環境など複数の要因が関係する
・高齢者では乾燥による皮脂欠乏性湿疹との見分けも重要
・フケや赤み、かゆみが続く場合は自己判断せず皮膚科へ相談する
「毎日洗っているのにフケが出るから、自分は不潔なのでは」と悩む必要はありません。
まずは正しく原因を知り、皮膚を刺激しすぎないケアを行うことが大切です。
みらい整体院では、皮膚症状だけに注目するのではなく、睡眠・ストレス・生活リズム・身体の緊張なども含めて身体全体を見ることを大切にしています。これは、皮膚科での診断や治療に代わるものではありません。
皮膚症状が強い場合や脂漏性湿疹が疑われる場合は、まず皮膚科で適切な診断・治療を受けてください。そのうえで、「生活習慣や身体全体の状態も見直していきたい」という方は、みらい整体院へお気軽にご相談ください。
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※本記事は、皮膚科学・腸内環境・自律神経・ストレス医学に関する国内外の研究、および当院での臨床経験をもとに作成しています。
湿疹やアトピーは個人差が大きく、 症状によって必要な検査・治療は異なります。
気になる症状がある場合は、必ず医療機関へご相談ください。

監修者:宿谷 陽一(柔道整復師/施術歴16年)
- アトピー整体施術実績 延べ10,000件
- 幼少期からアトピーを経験
- HPA軸・自律神経・内臓機能に着目した独自整体を提供
- アトピー専門YouTubeチャンネル運営
- アトピー専門整体院を全国に展開
- 皮膚科医との対談実績あり
参考文献・参考情報
医療・皮膚科学関連
- 日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」
- J-STAGE「皮脂マラセチアと皮膚疾患」
- 済生会「脂漏性皮膚炎」
- MSDマニュアル家庭版「脂漏性皮膚炎」
HPA軸・ストレス研究関連
- Association between Stress and the HPA Axis in the Atopic Dermatitis(PubMed収載論文)
- Evaluation of hypothalamic-pituitary-adrenal axis in patients with atopic dermatitis(PubMed収載論文)
- Vaughn AR, Notay M, Clark AK, et al. The Gut-Skin Axis in Health and Disease: A Paradigm With Therapeutic Implications.
※本記事内で紹介している生活習慣や整体的アプローチは、 医療行為の代替ではなく、 身体全体の状態を整えるための補助的な考え方として紹介しています。
私の名前は宿谷陽一と申します。
柔道整復師として16年の経験があります。
私自身、幼少期からアトピーに苦しみ、ステロイドや薬を使っても改善しない時期を経験してきました。体重が12kgも激減し、全身から浸出液が止まらないほど重症化したこともあります。
そんな絶望的な状況の中、妻と生まれたばかりの娘を抱きしめたいという強い思いから、アトピー克服のための研究を重ね、試行錯誤の結果、ついに綺麗な肌を手に入れることができました。
この経験から、「アトピーで困っている人を一人でも多く救いたい」という思いが強くなり、当院の「アトピー整体」を考案しました。
アトピー克服には乗り越えるべき壁がありますが、叶えたい未来があるなら、私は自信を持って当院のアトピー整体をおすすめします。




