「最近ずっと疲れている」
「仕事や人間関係でストレスが続くとアトピーが悪化する」
「もしかして副腎疲労が関係しているのでは?」
このように感じている方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、「副腎疲労」がアトピー性皮膚炎の原因であることは医学的に確立されていません。そもそも一般に使われる「副腎疲労(adrenal fatigue)」は、医学的に確立された診断名ではありません。
一方で、ストレスへの反応を調節する「HPA軸」やコルチゾールと、アトピー性皮膚炎との関係については研究されています。
そのため、「副腎が疲れているからアトピーになる」と単純に考えるのではなく、ストレスに対して身体がどのように反応しているのかを見ることが大切です。
この記事では、副腎疲労という言葉の医学的な位置づけから、ストレス・HPA軸・コルチゾールとアトピーの関係、日常生活で見直したいポイントまで分かりやすく解説します。
副腎疲労とアトピーは関係する?まず知っておきたい結論

副腎疲労は医学的に確立した病名ではない
「副腎疲労」とは一般的に、慢性的なストレスによって副腎が疲れ、コルチゾールなどのホルモンを十分に分泌できなくなった状態として説明されることがあります。
しかし、ここには注意が必要です。
現在、「副腎疲労(adrenal fatigue)」は医学的に確立された診断名ではなく、副腎疲労を診断するための確立した検査方法もありません。
そのため、
「朝起きられないから副腎疲労」
「疲れが取れないから副腎が弱っている」
「アトピーが悪化したから副腎疲労」
と自己判断することは避けたほうがよいでしょう。
ただし、疲労やストレスそのものを「気のせい」と考える必要もありません。
注目したいのは、副腎だけではなく、脳と副腎などが連携してストレスに反応する「HPA軸」という仕組みです。
ストレスがアトピーの悪化に関係することはある
アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能や免疫反応、遺伝的要因、環境など、複数の要因が関係する疾患です。
そのため、「ストレスだけがアトピーの原因」というわけではありません。
一方、心理的ストレスがアトピー性皮膚炎の症状に影響することや、ストレス反応に関わるHPA軸との関連については研究されています。
「仕事が忙しいと悪化する」
「人間関係で悩んでいる時期にかゆみが強くなる」
「睡眠不足が続くと肌の調子も悪くなる」
という方は、皮膚だけでなくストレスや生活状況にも目を向けてみる価値があります。
「副腎が疲れる」よりHPA軸から考えることが大切
副腎は単独でストレスに対応しているわけではありません。
ストレスを感じたときには、脳の視床下部、下垂体、副腎が連携して身体の状態を調節しています。
この仕組みがHPA軸です。
つまり、「副腎が疲れた」と一つの臓器だけを見るよりも、「身体がストレスにどう対応しているのか」という全体像から考えることが大切です。
副腎・HPA軸とアトピーはどのように関係する?

ストレスを受けるとHPA軸はどう反応する?
HPA軸とは、
「視床下部(Hypothalamus)」
「下垂体(Pituitary)」
「副腎(Adrenal)」
の頭文字を取った名称です。
身体がストレスを受けると、まず視床下部からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌されます。
その刺激を受けた下垂体からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が分泌され、さらに副腎皮質からコルチゾールが分泌されます。
簡単に表すと、
ストレス
↓
視床下部
↓
下垂体
↓
副腎
↓
コルチゾール
という流れです。
HPA軸は、身体がストレスに対応しながら一定の状態を保つための重要な仕組みです。
コルチゾールは炎症や免疫を調節するホルモン
「ストレスホルモン」と呼ばれることがあるため、コルチゾールに悪いイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、コルチゾールは身体に必要なホルモンです。
炎症反応や免疫反応の調節、血糖の維持、代謝、ストレスへの対応など、さまざまな働きに関係しています。
そのため、
「コルチゾールが多い=悪い」
「コルチゾールが少ない=アトピーになる」
と単純に考えることはできません。
大切なのは、ストレスの状況に応じて身体が適切に反応し、その後に元の状態へ戻っていけることです。
アトピーではストレスに対するHPA軸の反応が異なる可能性がある
医学研究では、アトピー性皮膚炎のある人では、アトピーのない人と比較してストレスに対するグルココルチコイドの反応が異なる可能性が報告されています。
また、皮膚そのものにも中枢のHPA軸と似た仕組みが存在するとされ、ストレス、HPA軸、炎症、皮膚バリア機能の関係が研究されています。
ただし、ここは誤解しないことが重要です。
これらの研究は、
「HPA軸の問題がアトピーの唯一の原因」
「HPA軸を整えればアトピーが治る」
と証明しているわけではありません。
アトピー性皮膚炎にはさまざまな要因が関係します。その中の一つの視点として、ストレスへの身体反応やHPA軸について研究が進められている、と捉えるのが適切です。
ストレス・HPA軸と湿疹の関係を詳しく見る:
湿疹が治らない本当の原因とは?ストレス・HPA軸の関係を専門家が解説
疲労やストレスが続くとアトピーが悪化するのはなぜ?

ストレスや睡眠不足でかゆみが強くなることがある
「忙しい時期ほどアトピーが悪化する」という方は少なくありません。
心理的ストレスはアトピー性皮膚炎の悪化要因の一つになり得ます。
さらに、仕事が忙しくなると帰宅時間が遅くなり、睡眠時間が短くなるなど、複数の負担が重なることがあります。
大切なのは、「ストレスがある=必ずアトピーが悪化する」と考えるのではなく、自分の場合はどのような状況で症状が変化しているのかを確認することです。
かゆみと睡眠不足が悪循環になることもある
アトピーでは、
かゆい
↓
眠れない
↓
翌日に疲れが残る
↓
ストレスが増える
↓
また夜にかゆみが気になる
という悪循環になることがあります。
このような場合、単に「もっと寝ましょう」と言われても難しいでしょう。
まず皮膚の炎症やかゆみに対して必要な治療を受け、そのうえで睡眠環境や生活リズムも一緒に見直すことが大切です。
強い疲労をすべて「副腎疲労」と考えない
朝起きられない、強いだるさが続く、集中できないといった症状は、「副腎疲労」だけに特有のものではありません。
睡眠不足をはじめ、さまざまな身体的・精神的要因でも起こります。
強い倦怠感が長期間続く、急激な体重減少がある、めまいやふらつきが強いなど、普段とは明らかに違う症状がある場合は、「副腎疲労だろう」と自己判断せず医療機関へ相談してください。
皮膚症状については皮膚科、強い疲労やホルモンの異常が心配な場合は内科や内分泌内科への相談が選択肢になります。
アトピーを悪化させる主な原因と対策を確認する:
アトピーを悪化させるものとは?食べ物・ストレス・汗・生活習慣など主な原因と対策
ストレスでアトピーが悪化するときに見直したい3つのこと

1.睡眠と生活リズムを整える
最初に見直したいのが睡眠です。
ただし、「必ず8時間寝る」といった完璧な生活を目指す必要はありません。
まずは、
・起床時間を大きくずらさない
・夜更かしが何日も続かないようにする
・寝る直前まで仕事を続けない
・入浴後はゆっくり過ごす時間をつくる
など、できることから始めてみてください。
かゆみで眠れない場合は、睡眠だけを改善しようとせず、皮膚科でかゆみや炎症について相談することも大切です。
2.「副腎を鍛える」より身体への負担を減らす
インターネットでは、「副腎を回復させる食べ物」「副腎を鍛える方法」などの情報を目にすることがあります。
しかし、「副腎疲労」が医学的に確立された診断名ではない以上、「副腎を鍛えればアトピーが改善する」と考えるのは適切ではありません。
それよりも、
・極端な食事制限をしない
・食事を抜きすぎない
・休める時間を確保する
・無理のない範囲で身体を動かす
・疲れているときは休む
など、身体への負担を減らすことを考えてみましょう。
「副腎疲労向け」とされるサプリメントや極端な食事法についても、自己判断で取り入れるのではなく、持病や服薬がある場合は特に医師や薬剤師へ確認してください。
3.ストレス・睡眠・皮膚症状を一緒に記録する
自分のアトピーの悪化要因が分からない場合は、1〜2週間だけでも記録してみるのがおすすめです。
例えば、
・睡眠時間
・仕事の忙しさ
・強いストレスがあった出来事
・かゆみの強さ
・赤みや乾燥の状態
などを簡単に記録します。
すると、
「残業が続いた数日後に悪化している」
「睡眠不足が続くとかゆみが強い」
など、自分なりの傾向が見えてくることがあります。
原因を一つに決めつけるのではなく、自分の症状がどのようなときに変化するのかを知ることが、生活を見直す第一歩になります。
みらい整体院がアトピーを「副腎だけ」の問題と考えない理由

皮膚だけでなくストレスに反応する身体全体を見る
アトピー性皮膚炎は皮膚に症状が現れるため、どうしても皮膚だけに目が向きやすくなります。
しかし、みらい整体院では、アトピーを「皮膚だけの問題」として捉えていません。
皮膚の状態に加えて、
・ストレス
・睡眠
・生活リズム
・自律神経
・消化状態
・食生活
・身体の緊張
・背骨や関節の状態
・神経
・血流や体液循環
など、その方の身体全体を見ることを大切にしています。
その中の一つとして着目しているのがHPA軸です。
ただし、これは「HPA軸がアトピーの唯一の原因」という意味ではありません。
医学的にアトピー性皮膚炎は複数の要因が関係する疾患であることを前提に、その方がどのようなストレスを受け、身体がどのような状態になっているのかも確認しています。
宿谷陽一自身のアトピー経験と臨床で感じてきたこと
みらい整体院 代表・宿谷陽一自身も、アトピーに悩んだ経験があります。
また、柔道整復師としてアトピー整体の臨床を重ねる中で、受験、就職活動、仕事、人間関係などのストレスと症状の悪化が重なっている方を多く見てきました。
もちろん、これは宿谷自身の経験・臨床的な考察であり、「ストレスがすべてのアトピーの原因」という意味ではありません。
だからこそ当院では、一つの原因に決めつけるのではなく、
「この方の場合は何が負担になっているのか」
を一緒に整理することを大切にしています。
皮膚科治療と並行して身体の回復環境を考える
みらい整体院では、皮膚科で行われる治療を否定していません。
炎症やかゆみが強い場合は、適切な診断を受け、必要な治療を行うことが大切です。自己判断でステロイドなどの薬を中止・変更することもおすすめしません。
そのうえで、
「睡眠は取れているか」
「ストレスが長期間続いていないか」
「身体が常に緊張していないか」
「生活リズムが大きく乱れていないか」
など、皮膚以外の部分にも目を向けます。
整体によって副腎機能やHPA軸の異常が直接治ることが医学的に確立されているわけではありません。
当院が目指しているのは「副腎を治す」ことではなく、皮膚科で必要な治療を受けながら、身体全体を見直し、日常生活をより快適に過ごせる身体環境を一緒に考えていくことです。
副腎疲労とアトピーについてよくある質問

副腎疲労になるとアトピーは悪化しますか?
「副腎疲労になるとアトピーが悪化する」と医学的に証明されているわけではありません。
一方、心理的ストレスとアトピー性皮膚炎の症状や、HPA軸・コルチゾールとの関連は研究されています。そのため、副腎だけではなくストレスへの身体反応という視点から考えることが大切です。
コルチゾールが低いとアトピーになりますか?
コルチゾールが低いことだけでアトピーになるとはいえません。
アトピー性皮膚炎には皮膚バリア、免疫、遺伝的要因、環境など複数の要因が関係します。「コルチゾール不足=アトピー」と単純に考えないようにしましょう。
副腎疲労は何科で相談すればいいですか?
疲労が強い、長期間続いている、副腎やホルモンの異常が心配という場合は、内科や内分泌内科への相談が選択肢になります。
アトピーの赤み・かゆみ・ジュクジュクなど皮膚症状については、まず皮膚科で相談しましょう。
アトピーはストレスを減らせば改善しますか?
ストレスを減らすだけでアトピーが必ず改善するわけではありません。
ただし、自分にとってストレスや睡眠不足が悪化要因の一つになっている場合は、皮膚の治療と並行して生活環境を見直すことに意味があります。
「ストレスを全部なくさなければ」と考えるのではなく、休息を確保する、睡眠環境を見直すなど、できることから始めてみましょう。
まとめ|副腎だけでなくストレスに反応する身体全体を見ることが大切

副腎疲労とアトピーについて、大切なポイントを整理します。
・「副腎疲労」は医学的に確立した診断名ではない
・副腎疲労がアトピーの原因であるとは断定できない
・ストレス、HPA軸、コルチゾールとアトピーの関係は研究されている
・疲労や睡眠不足が続く場合は、生活と皮膚症状を一緒に振り返る
・強い疲労や皮膚症状がある場合は、自己判断せず医療機関へ相談する
「副腎が疲れているからアトピーが治らない」と一つの原因に決めつける必要はありません。
アトピー性皮膚炎はさまざまな要因が関係するからこそ、必要な皮膚科治療を受けながら、睡眠、ストレス、生活リズムなど、自分の身体に負担となっているものを一つずつ整理していくことが大切です。
みらい整体院では、皮膚だけではなく、ストレスへの身体反応、睡眠、自律神経、身体の緊張なども含めて一人ひとりの状態を見ることを大切にしています。
「皮膚科で治療を続けているけれど繰り返している」
「ストレスが強くなるとアトピーも悪化する」
「皮膚以外の視点からも身体を見直してみたい」
という方は、お近くのみらい整体院へご相談ください。
▼実際に湿疹やアトピーが改善した方の体験談はこちら
患者様の声ページ
▼アトピー専門整体についてはこちら
アトピー専門整体ページ
▼HPA軸について詳しくはこちら
HPA軸とアトピーの関係を見る
※本記事は、皮膚科学・腸内環境・自律神経・ストレス医学に関する国内外の研究、および当院での臨床経験をもとに作成しています。
湿疹やアトピーは個人差が大きく、 症状によって必要な検査・治療は異なります。
気になる症状がある場合は、必ず医療機関へご相談ください。

監修者:宿谷 陽一(柔道整復師/施術歴16年)
- アトピー整体施術実績 延べ10,000件
- 幼少期からアトピーを経験
- HPA軸・自律神経・内臓機能に着目した独自整体を提供
- アトピー専門YouTubeチャンネル運営
- アトピー専門整体院を全国に展開
- 皮膚科医との対談実績あり
参考文献・参考情報
医療・皮膚科学関連
- 日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」
- Cadegiani FA, Kater CE. Adrenal fatigue does not exist: a systematic review. BMC Endocrine Disorders. 2016;16:48.
- Endocrine Society. Adrenal Fatigue.
HPA軸・ストレス研究関連
- Association between Stress and the HPA Axis in the Atopic Dermatitis(PubMed収載論文)
- Evaluation of hypothalamic-pituitary-adrenal axis in patients with atopic dermatitis(PubMed収載論文)
- Vaughn AR, Notay M, Clark AK, et al. The Gut-Skin Axis in Health and Disease: A Paradigm With Therapeutic Implications.
※本記事内で紹介している生活習慣や整体的アプローチは、 医療行為の代替ではなく、 身体全体の状態を整えるための補助的な考え方として紹介しています。
私の名前は宿谷陽一と申します。
柔道整復師として16年の経験があります。
私自身、幼少期からアトピーに苦しみ、ステロイドや薬を使っても改善しない時期を経験してきました。体重が12kgも激減し、全身から浸出液が止まらないほど重症化したこともあります。
そんな絶望的な状況の中、妻と生まれたばかりの娘を抱きしめたいという強い思いから、アトピー克服のための研究を重ね、試行錯誤の結果、ついに綺麗な肌を手に入れることができました。
この経験から、「アトピーで困っている人を一人でも多く救いたい」という思いが強くなり、当院の「アトピー整体」を考案しました。
アトピー克服には乗り越えるべき壁がありますが、叶えたい未来があるなら、私は自信を持って当院のアトピー整体をおすすめします。




